理想のアセットアローケーション(ポートフォリオの比率)を投資の達人に学ぶ!資産運用にベストな配分とポートフォリオは?

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著者:VIXパンダ 更新日:2021年10月14日

理想のアセットアロケーション(ポートフォリオの配分比率)

この記事のもくじ
  1. アセットアロケーション・ポートフォリオとは?
  2. 主な投資商品の特徴
  3. 投資の達人に学ぶ理想のポートフォリオと配分比率
  4. イエール大学・ハーバード大学のポートフォリオと配分比率
  5. 10年以上資産運用する場合の理想のポートフォリオと配分比率

1.アセットアロケーション・ポートフォリオとは?

この2つの言葉、非常に間違えやすいのですが、投資の世界ではそれぞれ以下の意味を持ちます。

アセットアロケーション:投資商品の配分比率
例)株式60% 債券40%
アセットアロケーションと言う言葉は、まだあまり浸透していないため、このあとは「配分比率」に統一します。

ポートフォリオ:具体的な運用商品の詳細な組み合わせ
例)株式の内訳(外国株・日本株)債券の内訳(先進国債券・日本債券)

それぞれの意味が分かりましたが、
・どのような投資商品を選べばいいのか分からない
・どのような配分で投資したらいいのか分からない
という方も多いのではないでしょうか?

そこで、特に10年以上継続して投資する場合、投資の達人はどのようなポートフォリオとその配分比率を推奨しているのか調べてみました。


2.主な投資商品の特徴

ポートフォリオに組み込まれる投資商品には、平均リターン順に以下のものがあります。

投資商品と値動き(測定期間2008年~2020年)
投資商品 年間平均
リターン
年間最大
下落率
年間最大
上昇率
リスク・リターン
先進国株式 1位 +9.67% -50.99%
(2008年)
+53.09%
(2013年)
新興国株式 2位 +7.88% -61.80%
(2008年)
+90.56%
(2009年)
Jリート 3位 +7.68% -48.60%
(2008年)
+40.53%
(2013年)
日本株式 4位 +7.14% -40.67%
(2008年)
+52.27%
(2013年)
中~大
先進国リート 5位 +6.91% -55.60%
(2008年)
+42.87%
(2014年)
中~大
6位 +6.35% -15.50%
(2008年)
+28.90%
(2009年)
先進国債券 7位 +2.72% -13.95%
(2008年)
+21.45%
(2013年)
小~中
新興国債券 8位 +1.97% -27.80%
(2008年)
+28.41%
(2012年)
新興国リート 9位 +1.83% -43.00%
(2008年)
+54.20%
(2012年)
中~大
日本債券 10位 +1.69% +0.20%
(2017年)
+3.40%
(2008年)

平均リターン・年間最大下落率・年間最大上昇率は2008年~2020年の13年間で集計しました。
金以外の投資商品は、全てインデックスファンドです。
※インデックスファンド:市場平均(ベンチマーク)と同じような運用を目指すファンド

先進国株式 平均リターン9.67%

日本を除く世界22の先進国において、1331銘柄に分散投資。
株に投資するため、値動きが大きいものの、長期保有では1番高いリターンを期待できる投資商品です。

組み入れ地域 組み入れ上位5銘柄
北米:71.8%
ヨーロッパ:23.3%
アジア・オセアニア:4.7%
中東:0.2%
1位 マイクロソフト 2.5%
2位 アップル 2.3%
3位 アマゾン 2.1%
4位 フェイスブック 1.2%
5位 ジョンソン&ジョンソン 1.0%

参考投資信託:SMT グローバル株式インデックス


新興国株式 平均リターン7.88%

24の新興国において、833銘柄に分散投資。
先進国株式よりも値動きが大きく、大きなリターンを期待できる一方、リスクが一番高い投資商品です。

組み入れ上位5か国 組み入れ上位5銘柄
中国:33.3%
韓国:13.0%
台湾:11.3%
インド:9.2%
ブラジル:7.2%
1位 テンセント 5.0%
2位 アリババ 4.4%
3位 TSMC 3.8%
4位 サムソン 3.3%
5位 ナスパーズ 2.0%

参考投資信託:SMT 新興国株式インデックス


Jリート 平均リターン7.68%

日本の不動産投資信託証券に分散投資。
基本的に不動産投資なので、株よりリスクが低く、外国のリートに比べ為替変動リスクもありません。

組み入れ国 組み入れ上位5銘柄
日本:100% 1位 日本ビルファンド投資法人 7.4%
2位 ジャパンリアルエステイト投資法人 6.9%
3位 野村不動産マスターファンド投資法人 5.0%
4位 日本リテールファンド投資法人 4.6%
5位 ユナイテッド・アーバン投資法人 4.1%

参考投資信託:eMAXIS国内リートインデックス


日本株式 平均リターン7.14%

日経平均を構成する日本の企業225社に分散投資。
為替リスクが少ないため、外国株式に比べリスクが低い投資商品です。

組み入れ国 組み入れ上位5銘柄
日本:100% 1位 ファーストリテイリング 10.1%
2位 ソフトバンクグループ 5.4%
3位 ファナック 3.3%
4位 東京エレクトロン 2.8%
5位 KDDI 2.4%

参考投資信託:たわらノーロード 日経225


先進国リート 平均リターン6.91%

世界の先進国不動産投資証券に分散投資。
投資対象は不動産のため、株よりは値動きが抑えられます。

組み入れ上位5か国 組み入れ上位5銘柄
アメリカ:73.4%
オーストラリア:6.9%
イギリス:4.7%
シンガポール:3.6%
香港:2.3%
1位 PROLOGIS INC 2.5%
2位 SIMON PROPERTY GROUP 2.3%
3位 PUBLIC STORAGE 2.1%
4位 WELLTOWER INC 1.2%
5位 EQUITY RESIDENTIAL PPTY 1.0%

参考投資信託:ニッセイグローバルリートインデックスファンド


金 平均リターン6.35%

世界情勢の変化に強く、株安や紛争やテロなどが起きると安全資産として金を買う人が増え、価値が上がることがあります。

参考ETF:SPDRゴールド・シェア


先進国債券 平均リターン2.72%

日本を除く世界22の先進国債券に分散投資。
株よりもリスクは低いものの、日本債券に比べ為替リスクがあります。
また、株に比べて大きなリターンは期待できません。

組み入れ上位5か国
アメリカ:42.1%
イタリア:9.7%
フランス:9.6%
イギリス:8.5%
ドイツ:7.7%

参考投資信託:SMT グローバル債券インデックス


新興国債券 平均リターン1.97%

世界16の新興国債券に分散投資。
株よりもリスクは低いものの、新興国の通貨は値動きが大きく、先進国債券に比べ為替リスクがさらに高まります。

組み入れ上位5か国
ブラジル:10.0%
マレーシア:10.0%
メキシコ:10.0%
ポーランド:10.0%
南アフリカ:10.0%

参考投資信託:eMAXIS 新興国債券インデックス


新興国リート 平均リターン1.83%

新興国7か国の不動産投資証券に分散投資。
新興国の通貨を利用するため先進国リートより値動きが大きく、リスクが高い投資商品です。

組み入れ上位5か国 組み入れ上位5銘柄
南アフリカ:41.6%
メキシコ:32.3%
マレーシア:8.9%
トルコ:7.7%
タイ:5.5%
1位 GROWTHPOINT PROPERTIES LTD 5.0%
2位 REDEFINE PROPERTIES LTD 4.4%
3位 FIBRA UNO ADMINISTRACION SA 3.8%
4位  FORTRESS REIT LTD-A 3.3%
5位  HYPROP INVESTMENTS LTD 2.0%

参考投資信託:eMAXIS 新興国リートインデックス


日本債券 平均リターン1.69%

国内の公社債に投資。
株や外国債券に比べ、リスクは低いのですが、その分リターンも低いです。

参考投資信託:ニッセイ国内債券インデックスファンド


これらの投資商品を組み合わせて、理想のポートフォリオを形成していきます。


3.投資の達人に学ぶ理想のポートフォリオと配分比率

私が投資の達人として、勝手に尊敬しているのは以下の方々です。

さらに、世界経済インデックスファンド・GPIFも理想のポートフォリオと配分比率の参考にします。



では、投資の達人の方々が、著書で推奨されているポートフォリオと配分比率を見てみます。

ポートフォリオと配分比率比較表
投資商品 朝倉智也さん カン・チュンド
さん
川畑明美さん 世界経済
インデックス
ファンド
GPIF
先進国株 30% 30% 30% 29.95% 25.41%
新興国株 30% 20% 10% 15.73%
日本株 0% 5% 25% 4.98% 24.49%
先進国債券 15% 10% 5% 29.28% 24.72%
新興国債券 15% 5% 5% 15.02%
日本債券 0% 15% 10% 3.82% 25.39%
先進国リート 0% 5% 7.5% 0% 0%
新興国リート 0% 0% 2.5% 0% 0%
Jリート 0% 5% 5% 0% 0%
10% 0% 0% 0% 0%

どの達人も株式の配分が50%以上となっていることがわかります。
その反面、債券、特に日本債券は少なめです。(GPIFは除く)

また、川畑明美さん以外は日本株の配分を0~5%と少なめに設定しています

なぜこのような配分が良いのか、それぞれの著書におけるコメントを見てみましょう。

投資の達人 コメント
投資の達人 コメント
朝倉智也さん 私たちは公的年金や企業年金、預貯金や保険など、資産のかなりの部分を
国内に投資しています。
そして、今後受け取るであろう給料は、日本円がほとんどのはず。
自分の裁量で運用できるお金を、さらに国内資産に投じなくても
よいのではないでしょうか。
カン・チュンド
さん
何か参考にするとすれば、やはり世界のGDPだと考えています。
今後の世界経済の発展にお金を託すとすれば、GDPの比率に準じて資産を
配分するのが合理的です。
川畑明美さん 安定しながらも高いリターンが見込めるのは、1番が先進国株、
2番目が日本株です。
究極のポートフォリオを目指す場合、最終的にはこの2種類の資産を
多く保有するのが理想です。
GPIF 年金事業の運営の安定に資するよう、専ら被保険者の利益のため、
長期的な観点から、年金財政上必要な利回りを最低限のリスクで
確保することを目標とする。

では、それぞれの投資商品はどのようなリターンだったのか、過去10年のチャートを見てみましょう。

投資商品の過去10年チャート

少しわかりづらいので、チャートを
・株とリートグループ(リターンが高め)
・債券と金グループ(リターンが低め)
に分けました

株とリートグループの過去10年チャート

株とリートグループでは、意外にも一番リターンが高いのがJリートで10年で1.68倍、あとは先進国株1.66倍、日本株1.57倍、先進国リート1.50倍、新興国株1.11倍です。


債券と金グループの過去10年チャート

債券と金グループでは、一番リターンが高いのが金で10年で1.28倍、あとは先進国債券1.27倍、日本債券1.21倍、新興国債券1.18倍です。

これからの今後10年も、このチャートと全く同じ動きをする保証はありませんが、似たような傾向になることが予想されます。

つまり、
株とリートグループのリターン > 債券と金グループのリターン
は変わらないでしょう。

そのため、10年以上長期投資する場合、リスクは高くなりますが、リターンが低い債券・金の比率を0にすることも「あり」です。

また、新興国株・新興国債券は2008年~2018年のリターンがそれほど高くありませんでしたが、これから多くの新興国で人口ボーナス期に入ることもあり、今後はその分の伸びしろが出てくると思われます。

また、私は投資信託や株の購入には

といった点から、SBI証券を利用しています。

投資信託に利用する証券会社の比較検証記事
投資信託におすすめの証券会社は?


4.イエール大学・ハーバード大学のポートフォリオと配分比率

また、巨額の資金を運営しているイエール大学・ハーバード大学は、年代ごとにポートフォリオと配分比率を公開しています。

イエール大学・ハーバード大学のポートフォリオと配分比率
大学 イエール大学 ハーバード大学
投資年  2001年   2014年   2008年   2015年 
絶対リターン 47.5% 51% 29% 34%
米国株式 15% 6% 12% 11%
米国以外の株式 10% 13% 22% 22%
国内外の債券 10% 5% 16% 10%
実物資産 17.5% 25% 26% 23%
現金 0% 0% -5% 0%

どちらの大学も、配分比率は絶対リターンを目指す投資商品が1番高く、さらに昔よりも今のほうが配分比率も高くなっていることがわかります。

絶対リターンを目指す投資の場合、イエール大学・ハーバード大学はヘッジファンドなどの外部の運用会社を使います。ただし、このような投資専門の会社に運用を外部委託する場合、個人レベルの預貯金では相手にしてもらえません。

そのため、
「絶対リターンを目指す投資商品をポートフォリオに組み込むのは個人には無理では?」
と思われるかもしれませんが、そんなことはありません。

このサイトで紹介しています、VIX指数売りを長期保有する投資法も、相場がどう転んでも利益を得る、絶対リターンを目指す投資法と言えます。

関連記事
VIX指数への投資法←VIX指数買いで絶対リターンを目指す投資法です
VIX指数売りを長期保有←VIX指数売りで絶対リターンを目指す投資法です


これからは、より高い運用成果を得るために、絶対リターンを目指す投資もポートフォリオに組み入れるべきでしょう。


5.10年以上資産運用する場合の理想のポートフォリオと配分比率

投資の達人方や大学のポートフォリオを参考に、10年以上資産運用する場合の理想のポートフォリオと配分比率を調べました。

まずは、絶対リターンと投資信託の配分比率です。

絶対リターンと投資信託の配分比率

絶対リターンへの投資をされたことがない方は、下表のように投資金額の1%からでも、最初の一歩を踏み出されることをおすすめします。

期待リターンが1~8%の投資信託だけでは、長期で見た場合、絶対リターンを取り入れた投資と比べ、お金が増えるスピードが下がります。

絶対リターンへの投資が上手くいきだしたら、比率を徐々に上げていくことで、全体のリターンも高まります。

絶対リターンと投資信託の配分比率
絶対リターンへの投資は初めて 絶対リターンへの投資が上手くなった
絶対リターン 1% 20%
投資信託 99% 80%

絶対リターンの投資対象

絶対リターンについては、どんな相場でも利益を狙える、独自の投資法を探すのがベストです。

私の場合は、VIX指数を利用した絶対リターンです。
VIX指数への投資法←VIX指数買いで絶対リターンを目指す投資法です
VIX指数売りを長期保有←VIX指数売りで絶対リターンを目指す投資法です

特に、VIX指数を売りで長期保有する投資法は、簡単で時間がかからない割に、年10%以上のリターンが期待できるため、おすすめです。

では次に、投資信託内の理想のポートフォリオと配分比率を紹介します。

投資信託内の理想のポートフォリオと配分比率

理想のポートフォリオと配分比率
投資商品 配分比率
先進国株 50%
新興国株 20%
日本株 10%
先進国リート 5%
Jリート 5%
先進国債券 5%
新興国債券 5%
日本債券 0%
新興国リート 0%
0%

国内資産
朝倉智也さんが言われるように、リスク分散の意味では、国内資産(特にリターンが低い日本債券)に投資する必要はないと思われます。

それに、今後は人口がどんどん減っていく日本国内で、グローバルに展開していく企業以外の株価の上昇は期待できません。そのため国内資産の配分は少なめにしました。

株と債券の比率
10年以上の長期投資では、債券よりも株のほうがリターンが高くなる傾向にあります。
そのため、株の比率を80%とし、10%の債券よりも高くしています。

リート
新興国のリートはまだリターンが低めなので、先進国と日本のリートのみにしました。
配分比率は債券と同じ10%です。

投資信託の選び方については、こちらで詳しく解説しています。
投資信託おすすめインデックスファンド





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