米国VIベアETF(米国コードSVXY)に投資したら利益を出せる?

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更新日:2019年12月19日 著者:VIXパンダ

米国VIベアETFに投資したら利益を出せる?

GMOクリック証券CFDでは、VIX指数関連商品に「米国VIベアETF」というものがあります。

この記事は、私の経験をもとに
「米国VIベアETFに投資したら利益を出せるか知りたい」
方に書いています。

この記事のもくじ
  1. 米国VIベアETFとは?
  2. 米国VIベアETFの値動きから見た特徴
  3. 米国VIベアETFへ投資できる証券会社は?
  4. 米国VIベアETFへのベストな投資法
  5. 米国VIベアETFへの投資 メリット・デメリット

1.米国VIベアETFとは?

米国VIベアETF(米国コードSVXY)のファンド情報には
「プロシェアーズ・ショートVIX短期先物ETF( ProShares Short VIX Short-Term Futures ETF)は、S&P500VIX短期先物インデックスに対して日々の運用実績の-0.5倍の値動きの投資成果を目指す。」
とあります。

つまり

という特徴があります。
ただし、組み入れ銘柄は下のようになっており、単純にVIX指数に連動するわけではないようです。

米国VIベアETF 組み入れ上位銘柄

ここで「OTHER ASSETS LESS LIABILITIES」が気になったので調べてみましたが、流動資産と流動負債の差額と訳されていました。


2.米国VIベアETFの値動きから見た特徴

米国VIベアETFのチャートは下のようになります。

2015年1月~2019年12月 米国VIベアETFチャート

2018年1月に512.84ドルだった米国VIベアETFは、2月末に48.40ドルまで下がりました。
急激に下がっていますね。
あまりに下がりすぎていて、チャートではわかりづらいので、数値でも紹介します。

2015年1月~2019年12月 米国VIベアETFの推移
1年間の推移 増減割合
2015年 121.24→92.96 -23.3%
2016年 92.96→181.96 +95.7%
2017年 181.96→512.84 +181.8%
2018年 512.84→42.25 -91.8%
2019年 42.25→65.13 +54.2%

特に目を引くのが、2018年の下落率91.8%です。
VIX指数と逆連動しますので、VIX指数との相関についても調べました。

2015年1月~2019年12月 米国VIベアETFの推移
米国VIベアETFの推移
(増減割合)
VIX指数の推移
年初→年末
(増減割合)
年間平均
VIX指数
2015年 121.24→92.96
(-23.3%)
17.55→18.21
(+3.8%)
16.70
2016年 92.96→181.96
(+95.7%)
27.01→14.04
(-48.0%)
16.42
2017年 181.96→512.84
(+181.8%)
11.32→11.04
(-2.5%)
11.13
低い
2018年 512.84→42.25
-91.8%
9.22→21.38
+131.9%
16.58
2019年 42.25→65.13
(+54.2%)
18.19→12.58
(-30.8%)
15.65

2018年はVIX指数が倍以上に上がっていました。そのため、米国VIベアETFも下がっていますが、下落率90%超と恐ろしく下がっています。

一方、年末のVIX指数が15未満の年は、米国VIベアETFが上がっています。(2016年・2017年・2019年が該当)
逆に、年末のVIX指数が15を超えてくると、米国VIベアETFが下がる傾向にあります。(2015年・2018年が該当)

また、2017年のように年間を通してVIX指数が低いと、米国VIベアETFは大きく上がります。

米国VIベアETFは2018年1月~2月でなぜこんなに下がった?

2015年8月も米国VIベアETFが下落していましたので、2018年1月~2月と比較しました。

レート推移 下落率 最大VIX指数
2018年1月~2月 512.84→48.40 91% 50.80
2015年8月 188.64→100.12 47% 53.29

米国VIベアETFは、VIX指数に逆連動するので、VIX指数が上がるほど、下がっていきます。
それなのに、最大VIX指数はむしろ2015年8月のほうが大きいくらいです。

そこで、2018年1月~2月米国VIベアETFはなぜこんなに下がったのか、取り扱っているGMOクリック証券に、直接電話で聞いてみました。

回答は「VIX指数の急変によるものです」とのことでした。
さらに、食い下がって2015年8月の下落率がなぜ低いのか聞いてみましたが、そちらは「わかりかねます」ということでした。

なお、この急変動を考慮してか、2018年3月15日から原資産が変更になったとのことでした。
変更点は
「S&P500VIX短期先物インデックスに対して-1.0倍の値動きの投資成果を目指す」
→ 「S&P500VIX短期先物インデックスに対して-0.5倍の値動きの投資成果を目指す」
です。

つまり、2018年3月15日から、米国VIベアETFの値動きが若干マイルドになっています。


3.米国VIベアETFへの投資ができる証券会社は?

ETFなので、どの証券会社でも取り扱いがあると思いきや、残念ながら、日本取引所(東京証券取引所・大阪取引所)では取り扱っていません。

そのため、米国VIベアETFへの投資ができるのは、CFD業者に限られます。
その中でも、GMOクリック証券CFDのみ取扱いがあります。

また、取引時間は23:30~翌6:00と、米国市場取引時間にしか取引できません。

詳しくはこちらです→GMOクリック証券CFDの公式サイト


4.米国VIベアETFへのベストな投資法

買い(ロング)での長期保有がベスト

値動きから、買い(ロング)で長期保有する方法が一番利益を出しやすいと思われます。
ただし、GMOクリック証券CFDで長期保有すると、金利調整額が発生します。

そのため、長期保有損益=レート損益+金利調整額です。

ただし、1日につく金利調整額は、下のように最小取引単位では1円未満です。

GMOクリック証券CFDに問い合わせたところ、1円未満の金利調整額は、切り捨てされるとのことでしたので、最小取引単位では実質0円です。

その点も考慮して、「レート×1」(最小取引単位)を保有した際の、米国VIベアETFの長期投資(買い)損益を検証しました。

2015年1月~2019年12月 米国VIベアETFの長期保有(買い)損益
レート損益 金利調整額 合計損益
2015年 -28.28ドル 0円 -28.28ドル
2016年 +89.00ドル 0円 +89.00ドル
2017年 +330.88ドル 0円 +330.88ドル
2018年 -470.59ドル 0円 -470.59ドル
2019年 -22.88ドル 0円 -22.88ドル

この損益がすごいかどうかは、米国VIベアETFに対する証拠金の額で決まります。

証拠金はいくらにする?

米国VIベアETFを買い(ロング)で保有するため、どのくらいの損失に耐えられるかは、米国VIベアETFが過去どのくらい下落したか確認しなければいけません。

データがある2015年以降で、米国VIベアETFが大きく下落した時期は2018年1月~2月です。

米国VIベアETFの最大下落率
レート推移 下落率
2018年1月~2月 512.84→48.40 90%以上

この最大下落率に耐えるには、米国VIベアETFに対する証拠金は、指数と同額にした方が良いでしょう。
そこで、指数と同額の証拠金で投資した際のリターンを計算しました。

2015年1月~2019年12月 米国VIベアETFの長期保有(買い)リターン
証拠金 損益 リターン
2015年 121.24ドル -28.28ドル -23.3%
2016年 92.96ドル +89.00ドル +95.7%
2017年 181.96ドル +330.88ドル +181.8%
2018年 512.84ドル -470.59ドル -91.8%
2019年 42.25ドル +22.88ドル +54.2%

過去5年の平均リターンは、+43.3%です。ただし、2018年の損失が大きすぎたため、合計損益は-56.11ドルでした。


5.米国VIベアETFへの投資 メリット・デメリット

米国VIベアETFへの投資を検証しましたが、以下のようなメリット・デメリットがあることが分かりました。

デメリット

メリット


米国VIベアETFはこんな人におすすめ

この投資法は、VIX指数(米国VI)をショートで長期保有する投資法と似ています。
VIX指数(売り)を長期保有して安定収入を得る投資法

ただし、過去には2018年1月~2月にかけて90%以上も大きく下がったことがあります。

2018年3月15日から、「VIX指数の-1倍の値動きを参考」→「VIX指数の-0.5倍の値動きを参考」と、値動きがマイルドになったとはいえ、どのくらいマイルドになったかは実際にVIX指数が高くなってみないとわかりません。

その点で、過去の値動きを参考にできるVIX指数(売り)の長期保有よりは、リスクが高いといえそうです。

これらから、「今後しばらくはVIX指数が急激に高くなるようなイベントが起きないだろう」という方にはおすすめです。

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